ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
生活態度・授業態度に危機を感じる中学校
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自分と我が子には甘い保護者 しかし生徒の学力向上には意欲も
 しかし、このような生徒の気質変化に対する責任は教育現場だけにあるのではない。子どもの教育や躾(しつけ)に対する責任の一端は家庭にもある。次に保護者の変化について見てみたい。
 「以前の保護者と比べて変わった」と感じている教師は64.8%と、生徒の変化と同様、高い数値となっている(資料3)。
資料3
 保護者の気質については概ね生徒と同様で、自己中心的な傾向が見られる。顕著なのは、我が子の躾を半ば放棄し、学校に責任を押しつける保護者が多いということだ。例えば、生徒の校則違反を注意しても神経質なまでに子どもを擁護する。「なぜ茶髪やピアスがいけないんだ」と校長室に押し掛ける保護者もいるという。反面、学校内での事故やちょっとしたケンカに対しては学校の管理を厳しく追及する。ある教師は「前向きな意見ではなく、学校の問題点を指摘するばかりで、共に良い学校をつくろうという連帯感を持ち辛くなってきた」と嘆く。
 だが、基礎学力の習得という点については、中学校に期待を寄せる保護者も多い。補習は実施するのか、また授業時間の減少を補うカリキュラムの工夫はなされているのか。学力低下問題、完全週5日制の施行などが、学習指導に対する保護者の関心を集める要因になっているのではないだろうか。また、学校に対する保護者の厳しい言動は、子どもに基礎学力を身に付けさせたいという気持ちの裏返しであるのかも知れない。
 中学校の教師は生徒と保護者の両者に対して、気質の変化を感じている。両者に共通するのは、自分を大切にするあまり、周りの人間に対する気遣いや配慮が不足している傾向があるという点だ。この現状では、共に問題点を共有して学校を改善していこうという気運は生まれにくい。
 では、実際に現場の教師は生徒や保護者の気質変化をどのように分析しているのだろうか。事例と共に考察していきたい。
資料4
03年度モニターアンケート調査概要(資料1~4)
 
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