ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
英語教育における新しい評価の在り方について考える
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日常の学習記録で教育実践と生徒の学力伸長の関係を明確化
 実行の後は、その取り組みによりどれくらい英語の技能が伸びたのかを測定する「検証」に入る。そして取り組みの効果が確認できれば、それを標準化し汎用性のある施策として他校への波及を目指すことになる。
 「様々な取り組みのうち、どの取り組みが生徒の学力向上につながったのかという因果関係が分からなければ、その結果を指導方法の標準化につなげることはできません。スピーキングの指導の中で、生徒の能力向上に寄与したのは、スピーチコンテストだったのか、ディスカッションだったのか、一つひとつの取り組みをつぶさに見ていき、スピーキング能力の向上という『結果』だけではなく、その『過程』を正確に把握する必要があるのです」(高塚教授)
 「過程」を明らかにするためのデータとなるのが、日々の指導記録である。ここで高塚教授が危惧するのは「指導記録をしっかりと蓄積・管理していない高校が多いのではないか」という点だ。
 外部テストの成績はもちろん、日常的な学習、指導の中で見られる様々な生徒のパフォーマンスを記録。蓄積されたデータを比較・検討することで、生徒の英語力の伸びと各取り組みとの因果関係を明らかにしていくことができる。その際、「録画」も記録の一手段として念頭に置いておくと良いだろう。特に、スピーキングのように数値化しにくい技能に関しては、録画しておくことで能力伸長を測る検証材料の一つになり得る。
 また、教育の効果検証手法を研究する際、大学など外部機関との連携を図ることも一つの方法だ。外部の目を通して取り組みを客観的に観察してもらい、学校の実情にあった指導実践の方法やテストの開発、評価尺度の策定を行うのである。実際、SELHiの中には、大学との連携により取り組み内容をブラッシュアップすると共に、効果検証の具体的方策を見いだしつつある高校もある。
 それでは具体的に、各校は初年度にどのような取り組みを実施し、評価に結び付けているのだろうか。座談会での討議を基に、次ページ以降で見ていきたい。
資料1
 
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