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長崎県立長崎北高校教諭 |
南昌伸
Minami Masanobu
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教職歴25年目。同校に赴任して10年目。進路指導主事。「自分の価値観をしっかりと持った生徒を育てたい」 |
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学校現場の事例(1) 長崎県立長崎北高校
職人芸から組織力への転換を図り
指導ノウハウ継承のシステムを確立 |
人事制度の改変によりベテラン教師の持つノウハウが散逸 |
新任教師をいかに早く「自校の教師」として育成するかは、多くの公立高校が抱える課題である。そのため、組織的な指導・研修体制を通して、効率的にノウハウ伝承を行い、新任教師の指導力向上を図っている高校は少なくない。長崎北高校もそうした組織力を生かした指導体制を構築している高校の一つだ。
同校は、例年国公立大への現役合格率が50%を超える進学校。近年では合格率60%以上を記録することも少なくない。だが、そんな同校にも、今から20年ほど前の一時期、30%台にまで落ち込む低迷期があったという。進路指導主事の南昌伸先生は当時を振り返り、次のように述べる。
「本校の進学実績が低迷していた背景には、1977年度より長崎県で導入された県立高校の広域交流人事があると思います。これは県内を市部、郡部、島嶼(とうしょ)部の3地区に分け、先生は在職期間中に必ずこの三つの地域の高校を回らなくてはいけないというもの。これにより先生の異動サイクルが短くなり、長年在籍していた進路指導の経験豊富な先生方が本校を離れることになったのです」
南先生が新任教師として同校に着任した当時、職員室は1、2学年団の第1職員室と、3学年団の第2職員室に分かれていたという。3学年団には進路指導に精通した教師が集められ、3年生を受け持っている教師は、次年度も3年生を担当するというように、学年団が固定化された状態にあった。
「当時大学を出たばかりの私にとって、第2職員室は近寄り難い雰囲気がありましたね。3年生担当の先生方は皆さんベテランで、大学入試に関するデータや生徒への指導方針がすらすらと口から出てくる。進学校で進路指導をするのは大変なことだ、自分には当分できそうもないと感じたものです」
言わば進路指導を熟知した一部の教師の”職人芸“が、同校の進学実績を支えていたわけだ。だが現実には、広域交流人事によって経験豊かな教師が一人欠け、二人欠け、この体制を維持するのが難しくなった。その影響が、国公立大への現役合格率の低下として如実に表れたのだ。 |
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