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裁量権の拡大で問われる学校の個性
中学校における「選択教科の拡大」は、2002年に施行された新課程の大きな変更点の一つである。選択教科の目的は、興味・関心の高い内容について深く学習し、個性の発揮・伸長を図ることにあり、その必要性は以前より臨時教育審議会でも指摘されていた。以前は3年次のみの実施であったが、02年度の改訂に伴い全学年で実施可能になるなど、ここにきて大幅拡大がなされたことは「個に応じた指導」の浸透に伴い、選択教科の重要性がより一層認識されたと見てよいだろう。
選択教科に関する各学校の裁量権が拡大されたことも、新課程の大きな特徴と言える。
図1
に選択教科等と「総合的な学習の時間」の各割り当て時数を学年別に示したが、ここで注意したいのは、選択教科と「総合学習」の授業総数の組み合わせに、ある程度幅があるということである。
出典:
文部科学省ホームページ
つまり、各学校が選択教科をどのように活用し、「総合学習」との相乗効果をどれだけ出せるかが、各学校の腕の見せどころとも言える。
また、全国的に選択教科は大きく3つの要素を持っている。その要素とは「発展」「補充」「課題学習」で、中学校ではこの3要素を生徒の学力定着段階に応じて、効果的に組み合わせた指導を行っている。中学校教師は、常日頃から各生徒の到達度をつぶさに観察すると共に、学校全体としても生徒に身に付けさせたい力を定めた上で、効果的な選択教科の運用を心掛けているのである。
では、次ページから、中学校における選択教科の具体的な取り組みを見ていきたい。
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