ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
キャリア教育の視点と方法を探る
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外部機関との連携がキャリア教育推進の鍵
高田 そうなると、どうしても外部機関との連携が欠かせなくなります。外部連携について、行政ではどのようにお考えでしょうか。
高松 確かに、学校の先生だけでは難しい部分があるのは事実です。そこで現在、産業界と連携してインターンシップを進めようとする動きがあります。昔は受け入れ先の確保に各学校とも苦労したものですが、この機運を逃さず、行政としても学校と外部機関との連携体制の確立について検討しているところです。
宮原 高松先生がおっしゃられたように、世の中がキャリア教育に対して積極的になってきている印象はありますね。例えば本校では、社会の第一線で活躍しているプロを招いて講義をしていただく「近未来ガイダンス」を実施していますが、ご協力いただく72名の講師の方を募集する際に、断られるケースはほとんどありませんでした。
高田 教育の資源(リソース)を最大限に使う際、外部人材の協力を引き出す鍵はどこにあるのでしょうか。
宮原 目の前の生徒たちの目ですね。一度、実際に来てみて生徒たちの目が生き生きとしているのを見れば、次も来ようという気になってくれます。心理学の世界では、人間は二者択一だと強制されて選ばされたような意識になるが、三つ以上の中から選ぶと主体的に選んだという意識になると言われています。今、本校で行っている取り組みはすべて選択式です。たくさんある講座の中から「自分はこれを選んだ」という意識を生徒に持たせることが、やる気につながっているのだと思います。
高田 自分の目的に沿って選んでいるから、生徒は生き生きするということですね。しかし、手を掛ければ掛けるほど教師にとっては負担になるはずですよね。
宮原 例えば本校の「近未来ガイダンス」などでの全職員の協力体制はかなり高いレベルだと思います。本校では、一つひとつの取り組みに対して生徒の感想を開示していますが、それ以前に、取り組み直後に担任がクラスに戻り生徒と話すと必ずリアクションがある。担任も生徒の変化を実感したら一層やる気になります。
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