A 個別音源機器としては、近年急速に普及が進んでいるICプレーヤーを採用する予定です。CDプレーヤーなどと比べ、コストを低く抑えられることもありますが、何より機械的な信頼性が高いことに注目しました。また、試験開始前に、受験者自身が何らかの形で動作確認ができるような方法を考えています。製造段階での事前のチェックと合わせ、二重のチェックを行うことで、動作不良はほとんどなくすことができるのではないかと考えています。
操作が複雑なのではないかというご指摘もあるようですが、基本的には問題文を一度だけ再生する装置とし、ボタンも一つか二つにする予定です。また、再生装置は試験開始時点で配付しますが、誤って再生ボタンを押す生徒がいる可能性もありますので、問題は機器本体とは別のICチップに吹き込み、監督者の合図があるまで使用できないようにする予定です。
一方、使用後の処置についてですが、基本的には一度きりの使用とし、使用後は回収してリサイクルに回す方向で検討しています。しかし、受験者の便宜を考え、希望すれば自宅に持ち帰り、再度問題文を聞き直すことができるようにする案も検討中です。
A 万一試験中に故障が発生したような場合は、該当する受験者を試験終了後に別室に集め、代わりのテストを受験させる方針です。問題は試験本番のものとは変更しますが、同程度の難易度となるように作問します。また、音源については再度の故障に備え、CDデッキなどを使用する予定です。
聴覚に障害を持つ受験生への対応については、公平性を期すために、何らかの形でリスニングテストの代替となるテストを課す予定ですが、具体的な方法は検討中です。
A 04年度中に、出題レベルや解答時間の妥当性を検証するための「試行テスト」を実施する予定です。正確な日時はまだ未定なのですが、本番の試験問題を作成する都合上、04年の秋頃に実施したいと考えています。
実際の受験者層と乖離しては意味がありませんので、全国の高校生の中から数万人規模で受験していただく方針です。高校の学習到達度を測るテストなので、本来は3年生に受験していただきたいのですが、05年度入試との兼ね合いから現実的には難しいでしょう。したがって、実際には2年生も対象に含めて考えることになるかと思います。もちろん、2年生と3年生では学習量が異なりますので、結果を分析する際にはその差を勘案しつつ集計作業を進めたいと考えています。