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生徒・教師・外部の評価を教師の指導力向上に生かす
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01年度から研究指定に先行した学校改革を実行
 藤枝東高校は、地域でも有数の伝統校である。文武両道を校訓に掲げる同校では、長らく生徒の自発的な学習姿勢を尊重した、いわゆる「伝統校の指導スタイル」が継承されてきたが、進路指導主任の別所正弘先生によれば、その流れを変えようとする機運が00年頃から高まっていたと語る。
 「きっかけは、過去15年間に渡って毎年実施してきた生徒の学習実態調査の結果を00年に分析したことでした。家庭学習時間が減少傾向にあることや、年度ごとの家庭学習時間の多少と大学合格実績の高低が見事に一致していることに驚きましたし、家庭学習や授業への姿勢もライバル校と比べたときにかなりの見劣りがあったことに課題を感じました」
 高まった危機意識を背景に、同校では矢継ぎ早に学校改革が図られた。週末課題の見直し、大学教員を招いての模擬講義などが01年度に実施され、02年度には土曜補習が、03年度には高校での学習法を指導する新入生ガイダンスが宿泊研修化された。フロンティアハイスクール事業の研究指定校となったのは、まさにこうした時期と重なっていた。教務主任の浅川典善先生は、このチャンスをうまく活用できれば、取り組みのさらなる充実が図れるのではないかと考えたという。
 「独自の学校改革が進行している中での研究指定だったので『せっかくのチャンスをうまく生かしたい』という思いがありました。折しも、様々な取り組みがスタートしたものの、それらが体系化されず、多くの教師が多忙感を抱いていたので、研究指定を機に、改めて学校改革のグランドデザインと共に新旧の事業のリンク化を考えてみました」
 図2に示したのが、「フロンティア委員会」がまとめた同校の学校改革全体を貫くグランドデザインである。「システム化」「理論化」「言語化」の三つのキーワードを軸に、教育活動の充実を図っていく案だ。
図2
 「本校も様々な取り組みをしているのですが、それらを広報したり、共有化する視点が弱かったのは事実です。また『高校現場に実践はあっても研究がない』と言われる状況を是正するために、授業実践を体系化していくビジョンも必要だと考えました」(浅川先生)
 特に同校では、文部科学省が示した「大学や専修学校、中学校等と連携し、学校設定教科・科目も活用した発展的、補充的な学習等の積極的な展開」という実践研究テーマにウエートを置き、その手法としては、授業の公開→反省→改善を一連の流れとして捉えるFD(Faculty Development)と呼ばれる手法を重視して学校改革を進めている。以下、具体的な活動を見ていきたい。
 
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