ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 日本・韓国・中国の高校生の英語力
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2つの学習スタイルと学力到達度との関係
 高校生は英語学習にどのように取り組んでいるかを検証してみよう。
 図10・11は高校生の学習実態をまとめたデータである(ここでは学習法をA受動・習得型、B自律・探求型に区分して分析した)。
(1)自宅学習での取り組み(図10
 「A受動・習得型学習=教師が知識や技能のモデルを示し、生徒がそれに答える(他問自答型)学習」実践率は、日本・中国が高く韓国は低い。学力到達度別ではG4レベルでピークに達し、これ以上になると、日本・韓国での実践率は低下している。
 「B自律・探求型学習=予習したり自主的に参考書などで学ぶ(自問自答型)学習」は、中国での実践率が高く、学力到達度との相関も強い。これに対して日本の実践率は極めて低く、G5・6でもわずか31%にとどまっている。
図10

(2)授業での取り組み(図11
 「大切なことはノートにとる」は、G3レベルに変換点があり、相対的に下位の生徒の実践率は日本が一番高く、次いで韓国、中国の順。G4レベル以上の上位層では中国が高く、日本・韓国の実践率は低い。
 教師が授業中に話した要点をノートに取れるのは、生徒が教師の言葉を背景知識と重ね合わせて理解し、文字に変換しているからである。したがって、教師が話す内容の意味を理解できないと、このような学習活動は成立しないが、3か国ともG3レベルで60%の実践率に達している。
 「予習して疑問点を持ち、授業でチェックしたり質問して確かめる」は、日本の実践率が高い。授業へ主体的に関わろうとする姿勢が比較的強いことは、日本の高校生の優れた側面だと言える。

図11
(注)G1~G5・6はGTEC for STUDENTSのグレード


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