シラバス作成と同時にその運用の仕方についても校内で議論することが必要である。生徒向けの教科シラバスや進路シラバスにも言えることだが、シラバス運用で一番気を付けなければならないのが「配りっ放し」で終わらせないことだ。
これを回避する手法の一つが、配付時期の工夫である。例えば、1年次においては、入学者オリエンテーション等の場で、学校の生徒指導方針と合わせて配付・説明すれば、保護者の認知・活用度を上げることができるだろう。同時に3年間きちんと保存し、必ず面談前に読み返すようにしてほしいといった点も伝えておくとよい。
問題は、2・3年次である。オリエンテーションのような場は少ないので、ここでは学級懇談会を活用したい。1年次にシラバスを配って既に時間も経ち、保護者の記憶も薄れていると思われるので、場合によっては再度同じものを配付し、年間方針を改めて伝える必要もあるだろう。
同じ悩みや不安を抱える保護者が一堂に会する学級懇談会の場をより積極的に捉え、シラバスをきっかけに保護者同士がコミュニケーションを図る場として位置付けることも可能だ。保護者シラバスを参照しつつ、日々子どもに接する上での不安や学校への質問をぶつけ合う座談会を設けるなどして、「保護者─学校」という関係にとどまらず、保護者同士の関係づくりにシラバスを活用することも検討したい。
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