ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 保護者向けシラバスの作成に向けて

●宮崎県立宮崎南高校
1962年創立の男女共学校。普通科、文科総合科の2学科を有し全校生徒数は1235名。04年度入試では、東京大2名、九州大8名、宮崎大63名など国公立大に233名が合格。私立大では早稲田大、明治大、西南学院大、福岡大などに延べ238名が合格。
URL:http://www.miyazaki-c.ed.jp/miyazakiminami-h/

西 邦雄

宮崎県立宮崎南高校教頭
西 邦雄
Nishi Kunio
教職歴33年目。同校に赴任して2年目。「教師同士が悪い点を指摘し合うのは難しい。『口の悪い』管理職でありたい」

 

那須 雅博

宮崎県立宮崎南高校
那須 雅博
Nasu Masahiro
教職歴18年目。同校に赴任して7年目。3学年副主任。数学担当。「日々努力。一日一日を大切にして生徒に接したい」

磯野 和弘

宮崎県立宮崎南高校
磯野 和弘
Isono Kazuhiro
教職歴16年目。同校に赴任して5年目。2学年主任。数学担当。「中途半端はゼロに帰す。何でも徹底してやりたい」

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事例 宮崎県立宮崎南高校
保護者向けシラバスを通じ「家庭の役割」を保護者に明示


子どもとの関わり方を伝えるシラバスを
 宮崎南高校が保護者向けシラバス「子育てサポート」(以下、保護者シラバス)の運用を開始したのは03年度のこと。全国的に見てもいち早く取り組みを開始した背景にあったのは西邦雄教頭の強い問題意識だった。
 「最近、履修コースの選択や志望大決定で、『子どもの希望に任せます』と言う保護者が増えてきました。日々の生活や進路選択に、どのように関わってよいのかが分からない保護者が増えてきたのだと思います。子どもとの接し方や、学校として保護者に期怠することをきちんと発信していく必要があるのではないかと感じたのです」
 そこで西教頭は、自ら保護者シラバスの原案を作成すると共に、その活用に向けた校内体制の整備に着手した。結果、04年度からは学年主任が中心となって、各学年が保護者シラバスを作成・運用する体制が整った。同校がどのように保護者シラバスを作成・運用しているのか以下で見ていきたい。


1 家庭の役割を生活指導に置く
 同校の保護者シラバスの特徴は、何より「家庭と学校の役割分担」を明確にしたそのコンセプトである。「学力を身に付けるための指導は学校の役目。家庭ではそのベースとなる生活習慣の確立をしっかりと行ってほしい」(西教頭)という思いが、その根底にある。実際にシラバスを見ると、家庭学習や学習指導に関わる項目を極力少なくする一方で、生活習慣の改善に関わる項目が充実していることに気が付くだろう。




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