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苦手科目で志望を諦めないよう意識付けを徹底 |
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04年春に卒業した生徒に対する指導が変わる節目となったのは2年次の初めだった。当時の2年次主任だった中林睦彦先生は、生徒の進路選択の仕方に大きな疑問を感じていたという。
「本校の生徒の場合、入学時に国公立大進学を希望する生徒はほぼ全員です。しかし、好き嫌いだけで履修科目を決め、結果として、3年次に私立大を受験せざるを得ない生徒が少なくありませんでした。本人の希望に沿ってカリキュラムを自由に組めるのが単位制のメリットですが、苦手科目を避けて履修しない生徒が増えてしまったのです。特に深刻だったのは数学を敬遠する生徒が多かったことですね。数学から逃げたのでは志望する国公立大への道はほとんどなくなります。苦手科目があるからといって安易に私立大や推薦入試に逃げるのではなく、5教科7科目の学習を維持して国公立大の合格可能性を広げると共に、最後まで諦めず志望校合格を目指す意識付けを図る必要があると思いました」
そこで、中林先生をはじめ学年団の教師は、安易な志望校選定は後悔の元になることや、5教科7科目受験を維持することの大切さなどについて、年次集会やLHRなど、事あるごとに生徒に呼び掛けた。特に、面談については、3年次はほぼ毎月、必要な生徒を中心に実施するなど例年以上に回数を増やし(図2)、受験科目によって志望校を諦めかけている生徒を鼓舞するよう心掛けたのである。 |
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04年度卒業生が3年次の時に進路を担当していた池谷佐知子先生は、こうした呼び掛けの効果は大きかったと指摘する。
「結局、例年よりも1クラス分くらいは国公立大を目指す生徒が増えました。幸い、04年度入試からは多くの国立大で5教科7科目入試を実施することが決まっており、これも5教科7科目離れを食い止める一因になったと言えます。国公立大を目指す生徒の絶対数が増えたことも、04年度の実績に影響したのだと思います」 |
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