例えば、1年次から3年次まで行われる数学のSHRテストの際には、HR担任も巻き込んで「数学は毎日コツコツと演習するものである」という姿勢づくりを行っていった。単に意識を高めるだけではなく、苦手科目についてきめ細かくフォローすることで、生徒が志望校を諦めないようサポートしていったのである。
また、「土曜学習会」「放課後課外」などの課外補習を活用し、学習時間そのものを確保させることも忘れなかった。特に効果があったのは3年次、毎日放課後19時まで行う「放課後学習会」だ。以前から実施していたが、それまでは「学校で学習してよい」というだけで、ことさらに強制はしなかった。しかし04年度卒業生からは、「残りなさい」という指導に切り替え、3年次担当の教師が月ごとにローテーションを組み、交替で質問対応と監督・下校指導を行うようにしたのである。
「家に帰って一人きりで勉強するのは辛いものですが、教室で勉強していれば先生や友達から励ましの言葉も貰えたり、頑張っている友達の姿を見て『自分も頑張ろう』と奮起したりすることができます。また、いつでも質問できる先生がいるというのも、生徒には心強かったでしょうね。そのため、多くの生徒が参加してくれました」(中林先生)
また、生徒が放課後の自習を当然だと思えるような雰囲気づくりを、教師が率先して行ったことも大きかったという。学習面で中心となる生徒に声を掛け、積極的に残らせるようにしたことで、他の生徒の間に「自分も頑張ろう」という雰囲気が生まれたのである。
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