ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 山梨県立・甲府西高校「進学指導」
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情報共有こそが諦めさせない指導につながる
 一方、こうした指導の効果を最大限に引き上げるべく、教師同士の目線合わせも密に行われた。
 年2回、6月と12月に実施する志望校検討会では、生徒の進路志望と模試成績を使い、生徒にとっての「受けたい大学」と教師から見た「受かる大学」とのすり合わせを徹底。進路指導主事、年次主任、正副担任を交え、一人ひとりの生徒の成績・志望分野を多角的に検討した。「この生徒の実力ならこの大学の方が向いている」「この分野を希望するならこんな大学もある」など、学年の教師同士で情報を交換・共有したのである。
 「志望校検討会で話し合った情報を持って2者懇談に臨むことで、より広い選択肢を提示することができ、説得力と納得感を持った指導が可能になりました」(池谷先生)
 また、日常的な情報交換・伝達の場として、毎朝の年次打ち合わせ、月に一度の年次会議を通して、学年団が同一歩調で指導に当たれるよう周知徹底していったことも大きかった。
 「3年次職員の中には、初めて3年次生を担任する先生や、他校から異動してきた先生もいます。クラブ活動と課外補習との調整や、土曜学習会や放課後学習会などの進め方も、教師の共通理解がなければ円滑に進めることができません。また、生徒が進路に迷ったときに、どの先生に相談しても同様の答えが返ってくれば、生徒は安心して教師たちのアドバイスに従うようになるのです」(中林先生)
 教師同士が情報共有することが、諦めさせない指導を行うための大前提になっているのである。


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