ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 山梨県立・甲府西高校「進学指導」
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情報の文書化と蓄積が情報共有のポイント
 教師間の意思疎通を円滑に進めるための工夫も、様々になされている。例えば、朝の年次打ち合わせやその他の会議において出される様々な伝達事項は、すべてプリントの形にして教師に配られた。日によって変わる事項や継続的に実施していく事項、期限を区切って目処を付けなければならないことなど、生徒指導上、学年団が常に意識していなければならないことが整理されているのである。
 「紙による情報の伝達は、メモを取る手間が省けるので時間の節約になる上、連絡事項の徹底にもつながるので、指導のぶれをなくすには効果的な方法でした」(池谷先生)
 プリントによる情報伝達が、教師間のノウハウ共有の基盤となったのである。それが現在、パソコンの校内イントラネットによるファイルサーバーに組み込まれ、進路関係情報と共に活用されている。
 サーバー内は同校の進路指導ノウハウの宝庫だ。「進路ガイダンスの際は必ず生徒に感想を書かせ、生活に反映させたり担任からフィードバックするべきだ」「理科2科目を捨てていた生徒に気付けなかった」といった進路指導上の反省や、「A大学は専攻によりセンター対2次(面接)の比重が1対4なのでチャンスあり。研究内容を確認した上で人気集中学科を避け対策を取れば可能性が広がることもある」といった具体的な受験上のアドバイスまで、時期に応じてまとめられた様々な情報を、すべての教師が見ることができる。今後、更にノウハウの蓄積が進めば、項目ごとに分類した「総括書」を作成することも進路部で検討中だという。


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