ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 教育シラバス徹底活用のヒント
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1 センター試験での出題頻度を掲載
 同校のシラバスの特徴の一つは、授業で扱う単元ごとに、過去10年分のセンター試験の出題頻度を示している点である。進路指導主事の甲斐典明先生はその狙いを次のように説明する。
 「入試と日々の授業の関連をダイレクトに示すことで、生徒の学習意欲を高めることを考えました。特に、受験を直前に控えた3年次の生徒に向けては、シラバスを使いこなして勉強する動機づけにもなっています」
 この欄を設けることは、生徒の学習意欲を喚起するのみならず、教師の授業研究に対する意識付けにもつながっているという。
 「若い先生方の中には、本格的に入試問題の分析に取り組んだことのない方もいますが、実際の問題を検討しながらこの欄を作成することで、ある程度の研究が積み上がったと思います。また、単元ごとに出題頻度を示すことで、ベテランの教師も、授業のどこに力を入れるべきかを改めて自覚できたのではないでしょうか。なお、05年度のシラバスでは、全教科とも教科書の単元ごとに到達度目標を明示する方針ですが、センター試験の出題分析を通じて『各単元で何を教えるべきか』を改めて考えた04年度の経験は、きっと生きてくると思っています」(甲斐先生)


2 「学習の方法と流れ」欄を追加
 同校のシラバスにおいては、すべての教科・科目について学習の方法と流れを示した欄が設けられている。「自宅学習の必要性は感じているものの、実際の学習方法が分からない生徒が多い」という実情を踏まえて、04年度から付け加えられた項目である。
 「シラバスを作成しても、各教科ごとにその使い方を示さなければ、生徒はなかなか学習に向かいません。使用教材や授業プリントの使い方を明示すると共に、『予習重視なのか』『復習重視なのか』といった点についても記載しておくことが不可欠だと考えました」(甲斐先生)


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