ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 東アジア高校英語教育GTEC調査報告 小学校英語導入、SELHi型指導の成果を探る
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5 小学校英語教育の成果が認められる韓国

 韓国では、97年に英語を正式な教科科目として小学校3年生から導入してきた。教科としての英語教育導入に対しては賛否両論があったが、これまでその成果を客観的に検証した研究は少なかった。その意味で、今回の調査は韓国の長期的な小学校英語教育の成果を検証する本格的で大規模な調査の一つであると言える。
  03年度の高校1年生が「小学校英語導入以前」の学年、04年度の高校1年生が「小学校英語導入後」の学年に当たり、同一校における過年度比較を行うことで、小学校英語教育の効果を検証してみたい。
  GTECは項目応答理論に基づく絶対評価のテストであり、問題の難易度や受検者の母集団の影響は受けないため、そのまま得点を過年度比較することが可能である。
  結論として、小学校英語教育を経験してきた生徒の方が、それ以前の生徒に比べ、トータルスコアで40点も高いということが分かった(図9)。技能別に見るとリスニングの差が最も大きく18・9点も高い。ライティングは3か国中では高いとは言えないが、それでも小学校英語教育を経験してきた生徒の方が11・2点も高くなっている。

▼図9 03年度1年生―04年度1年生 スコア過年度比較
図9

  現在日本では、中央教育審議会の外国語部会の中で、小学校段階から教科として英語を導入することについて議論している。韓国の小学校英語の成果を示すこのデータは、今後の議論を進める上でも、何らかの影響を与えそうだ。



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