特集 真の「文武両道」を目指して
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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 異年齢間コミュニケーションの場

 まず着目されるのは、部活動や特別活動の「異年齢間コミュニケーションの場」としての機能である。1980年代を境に、生徒のグループ形成が年々小規模化していることが知られているが、最近は集団の小規模化と共に、集団形成の時期が早期化しつつあることが明らかになっている。実際、多くの先生方も実感されていると思うが、同じクラス内の数名でグループが形成されてしまった後は、ほとんど人間関係が広がらない生徒も少なくないようだ。
  そうした集団形成は、多くの場合「ノリ」や「センス」の一致に依存した「共振的」「表層的」なものであり、必ずしも深い人間関係を伴うものではない。このような状態は、教育学的な見地から見た場合に問題があると考えられる。
  部活動や特別活動への積極的な関わりは、そうした生徒にとって、異なる年齢の人々との多様な対人関係の結び方を身に付ける上で重要な意味を持つ。他者を他者として認め、人格的な触れ合いのある人間関係を築く能力の育成は、自我の発達が見られ、地縁関係からも一定の距離が保てる高校時代をおいて他にない。この点は、教科の授業だけでは決してフォローできない、学校教育の重要な役割と言えるだろう。



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