理念的な話になるが、部活動や特別活動で得た経験は、生徒がその後の人生を豊かに送ることができるかどうかを左右する。例えば、両親が音楽に全く関心のない家庭で育ったような生徒が、部活動を通して音楽の素晴らしさに目覚めたとすればどうだろうか。同様に、体育会系の部活動を通じて得た人脈、あるいは部活動を通して得られたスポーツのスキルなども、人生を豊かにする上での大切なツールとなり得る。
社会全体の生活水準の向上と共に、学校が「地域の文化センター」として機能する場面は減ってきたが、それでも、高校生にとって優秀な指導者や仲間、設備がすべて整う場となると他にはない。進学実績や部活動の対外成績といった数値には表れない文化的な資本として、生徒一人ひとりの成長に部活動や特別活動が果たす役割を見直したい。
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