特集 真の「文武両道」を目指して
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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 「居場所づくり」を目指す文武両道へ

 中退者の多い学校や進学・就職先が多様な学校では、生徒を学校に引き付けることが重要な課題となっている。「荒れる学校」が社会問題となった70~80年代には、部活動で生徒を「更正」させる戦略がある程度意味を持ったが、学校そのものからの逃避が目立つ昨今では、同様の手法では難しい。  
  こうした状況において必要となるのは、部活動を生徒の「居場所」の一つと捉え、学校を改善する視点である。これらの学校では、多くの生徒がストリートや自分の部屋を「居場所」としている。学校に生徒の居場所がなければ、学力やソーシャルスキル、コミュニケーション能力を向上させることが難しく、これらの力が乏しいために、更に学校から離れていくという悪循環のループにも陥る。
  そこで「文武両道」の意味を旧来の「修養」ではなく、「教科から部活動まで、魅力的なカルチャーを学校に築くことで、生徒を受け止めるバッファーゾーンを広げること」と再構築する必要がある。教科指導だけ、部活指導だけ、の閉鎖的な空間での指導に教師が逃げることなく、教科、総合的な学習の時間、特別活動、部活動、それぞれを魅力的な活動とし、学校全体の教育力と生徒を誘引する力を向上させることが必要である。だからこそ、多様な生徒を責任を持って学校が育てる手法として、改めて文武両道の意味を考えてみる価値は十分にあるはずだ。



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