一方、このような指導を行うためには、部活動顧問が、部活動の目的について高いレベルでコンセンサスを形成していることが欠かせない。祇園北高校では、基本的に教師全員が部活動顧問を担当すると共に、年2回のペースで「顧問会議」を開催し、教師の目線合わせに取り組んでいる。男子バレーボール部顧問で保健体育科主任の澤田平和先生は、その意義を次のように語る。
「顧問会議では、細かな指導のアイディアはもちろん、『部活を通じて、生徒にどのような力を身に付けさせたいのか』といった理念的な部分でも情報交換を行います。特に『武からの学力向上』というアプローチが明確になった2年ほど前からは、どの部活の顧問もその点を強く意識するようになりました。運動系のみならず、文化系の部の顧問も参加するので、指導方針の統一には大きな効果があると感じています」
また、教師の意識統一と並行して、生徒に対しても「文武一貫」に向けた共通ビジョンを描かせる取り組みが実施されている。祇園北高校では、すべての部のキャプテンとマネージャーを集めて、「リーダー研修」と呼ばれる研修会を実施しているのだ(図3)。
|