特集 真の「文武両道」を目指して
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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早期の意識付けでドロップアウトを事前に防止

 トップクラスの進学校でありながら、松山南高校の部活動加入率は極めて高い。自由参加であるにもかかわらず、1年次で90%超、3年次でも80%以上の加入率がキープできているのだ。進路指導課長の渡辺俊哉先生は、高校生活導入期での意識付けの重要性を指摘する。
  「進路指導課としても生徒の部活動加入を推奨しています。新入生オリエンテーションや、入学式直後の全校集会を利用して早期に文武両道について意識付けると共に、保護者に対しても部活と学習が矛盾したものではないことを説明します。特に、3年まで部活を続けた生徒がきちんと進路実現を果たしていることは、実例なども交えつつ強調します。早い段階で文武両道の理念を伝えておくことが、以後のドロップアウトを防ぐことにつながっていると思います」
  また、入学時の意識付けを3年間に渡って持続させるべく、松山南高校では図1に示した「学習時間調査」を使って、生徒が文武の両立に行き詰まっていないかを年5回のペースで確認している。一見すると、ごくオーソドックスな生活時間調査表に見えるが、書式にはある工夫が加えられている。

▼図1 クリックすると拡大します。
図1

  「生活時間帯を記入させる欄の他、『部活動の時間』を別枠で設けています。教師がチェックする際に一目で分かりますし、何より生徒が手を動かす過程で、学習と部活にどれくらいのウエイトを置いた生活をしているのかを意識できます。また、『学習時間調査』と個別面談の年間スケジュールを合わせてあるので『ちょっとバランスが悪いな』と感じる生徒がいたら、すぐに面談を行ってフォローすることができます。近年の生徒は、『成績が悪くなったから』と言って部活を辞めた途端、学習にも打ち込めなくなってしまう傾向があるので、早期にサインをつかむことが大切なんです」(千葉先生)


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