飯塚 すると、今後の大学入試改革の動きを読み解くためには、国大協の意見や指針をきちんと見ていくことが重要になりそうですね。しかし国大協は、05年春に発表するはずだった08年度入試の指針を先送りにしました。早くガイドラインが知りたいという要望は高校・大学共に高いと思うのですが、これにはどういった事情があるのでしょうか。
荒井 最も大きな理由は、「受験機会を確保、拡大する」という大きな方針はまとまったものの、それをどのような手順で実現するかについては十分議論できていなかったことですね。実際、国大協では04年に全大学を対象にアンケートを実施したのですが、「08年度以降のことはまだ考えていない」、あるいは「他の大学の状況を見て決める」という回答が多数を占めました。拙速に改革案をまとめて混乱を招くよりも、まずは国大協がしっかりとした「叩き台」を作ってそれを示し、各大学に議論して揉んでいただく時間が必要です。単に「間に合わないから出さなかった」わけではないんです。
飯塚 では、時間をかけて練られる次の国大協の指針では、かなり突っ込んだ改革案が期待できそうですね。
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