特集 入試改革を読み解く
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6 入試で問いたい学力要件とカリキュラム要素

一定の基礎学力の習得が第一条件

 前ページに引き続き、大学が入試で問いたい学力について、更に詳しく見ていきたい。ここでは、入試で問われる学力を、カリキュラム要素の観点から分析する。
  図7は、大学人が「入学者に身に付けてほしい」と考える様々なカリキュラム要素を、「基礎学力」「表現力」「思考力」「課題対応力」の4つに大別した上で、横軸にとったものである。それぞれの区分の下位要素には、「公式利用」「図表読解」等の、更に細かな要素が含まれている。
  縦軸の数値は、これらの要素に対する大学人の肯定度を、個別学力試験で問いたい「知識理解力」「思考・論述力」「言語・読解力」「数理能力」の4つの観点別に示したものである。各グラフの数値が高いほど、大学人の要求が高いカリキュラム要素ということになる。
  まず、「思考・論述力」が重要と回答した大学人は、どのカリキュラム要素に関しても肯定度が高い。大学人の多くは、入学生に「思考・論述力」を求めていることが分かる。この力は社会が求める人材要件の土台とも言えるだろう。

▼図7 クリックすると拡大します
図7

思考・論述力に加え「知識理解力」も重視

 だが、大学人は、単に「思考・論述力」だけを求めているわけではない。思考・論述を展開する上での基礎となる「知識理解力」も不可欠だと考えている。これは、B表現力・C思考力で両者がほぼ近接していることに示されている。
  以上を踏まえると、多くの大学人は、「一定の基礎学力を身に付けた上で、それらの知識を思考ツールとして活用したり、論述を通じて表現する力を持った学生」を求めていると言えよう。


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