前ページに引き続き、大学が入試で問いたい学力について、更に詳しく見ていきたい。ここでは、入試で問われる学力を、カリキュラム要素の観点から分析する。
図7は、大学人が「入学者に身に付けてほしい」と考える様々なカリキュラム要素を、「基礎学力」「表現力」「思考力」「課題対応力」の4つに大別した上で、横軸にとったものである。それぞれの区分の下位要素には、「公式利用」「図表読解」等の、更に細かな要素が含まれている。
縦軸の数値は、これらの要素に対する大学人の肯定度を、個別学力試験で問いたい「知識理解力」「思考・論述力」「言語・読解力」「数理能力」の4つの観点別に示したものである。各グラフの数値が高いほど、大学人の要求が高いカリキュラム要素ということになる。
まず、「思考・論述力」が重要と回答した大学人は、どのカリキュラム要素に関しても肯定度が高い。大学人の多くは、入学生に「思考・論述力」を求めていることが分かる。この力は社会が求める人材要件の土台とも言えるだろう。
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