特集 入試改革を読み解く
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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前期日程の試験科目に英語を導入

 システム工学部の入試改革においてもう1点注目されるのは、従来は数学、理科の2教科で実施してきた前期個別試験を、英語、数学での実施に改めることだ。工学系の学部で理科をあえて課さないのは意外に思えるが、この点にもシステム工学部のアドミッションポリシーが強く反映されているという。
  「今後の研究環境を考えた場合、数学・理科の基礎能力に加え、英語運用能力の比重がより大きくなると考えています。研究会の発表や論文執筆といった面はもちろん、企業で研究職に就く場合を考えても、英語の運用能力が今まで以上に問われてくると思います。これまで本学部には、『入試で英語が課されていないから受験した』という学生もいたのですが、今後はそれでは通用しません。むしろ、積極的に英語を使いこなす意欲のある学生を獲得することが必要だと考えました」(原田教授)
  だが、個別試験科目から理科を外すことに不安はないのだろうか。鯵坂教授は「その点は学部教育でフォロー可能だ」と自信を見せる。
  「世間ではあまり知られていませんが、本学部は学部教育に非常に力を入れています。学生一人ひとりに目が行き届くよう、教員一人当たりの学生数を低く抑えていますし、カリキュラムの面でも、正課の授業+αの学習機会を確保すべく『学修支援科目』というゼロ単位科目を設けています。ですから、理科の学力も、学部教育段階で十分伸ばしていくことが可能だと考えます。もっとも、個別試験科目からなくなったものの、センター試験での理科の配点比率は、04年の2倍に引き上げています。英語を入れたからといって、理科を軽視しているわけではないことは、受験生にも伝わるはずです」

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