また、オープンユニバーシティや、札幌市内の公立高校への「出前講義」なども積極的に実施し、理学部の魅力をアピールしているという。その際、留意していることは、授業だけではなく、実際に見て、触れられる教材を用意していることだ。
北海道大大学院理学研究科の山口佳三教授によると、数学科では次のように、高校生の興味・関心を引き出す工夫をしたという。
「数学科では箱の中に効率よく玉を積み込む方法を、実際に模型を使いながら学ばせました。抽象的な数学という学問も、実物の模型を組み立てながら学ぶことで、より親しみやすくなると考えたからです。また、授業では高校の数学を題材にするのではなく、大学での学びにつながるようなトピックを紹介するようにしました。今、高校で学んでいることが、大学の研究でどのようにつながるのかまでを見せることが、数学科への期待を高めることにつながるのではないかと思います」
一方、新潟大では夏休みを利用して、新潟駅前にあるサテライトキャンパスで、高校生向けの体験授業を実施した。科目は数学、物理、化学、生物の4つ。理学部への進学を視野に入れている県内の高校生を対象に、各科目10~20名を募集し、約1週間に渡って授業を行うのである。
また、北海道大同様、SSHやSPPへの協力も積極的に推し進めている。「高校生とコンタクトを取れるものは何でもやろうというのが、現在の本学のスタンスです」と、谷本教授は強調する。
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