指導変革の軌跡 山形県立酒田東高校「低学年指導」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「学年朝会」により教師間のぶれをなくす

 個人面談を増やすことで生徒個々へのアプローチを深めると共に、全体指導を通して学年全体の足並みを揃えることにも留意した。酒田東高校では04年度から、ほぼ毎週月曜日の朝10分間、1年生の生徒全員を集めて「学年朝会」を実施。そこで、5月の連休の過ごし方や中間考査後の振り返り、服装や挨拶など、学習・生活の両面に渡って、生徒に徹底させたい事柄を伝えたのだ。
  一見、クラスごとの伝達で済ませても十分に思えるが、「1学年すべての生徒、教師が集まることが大切」と、進路部長の石寺一秀先生は強調する。
  「担任によって指導のぶれが出ないようにするのも、学年朝会の目的の一つです。特に、教師の意識や力量によって指導に差が出やすい生活指導については、生徒・教師全員の目で確認し、許容範囲を確認しておくことが大切です。スカート丈のチェック一つをとってみても、各担任の裁量に任せていると、クラスによって基準がまちまちになりかねません。基準を明確にしておくことで、生徒の不公平感をなくし、教師も自信を持って生活指導に当たれるようになるんです」
  問題がある生徒については生活指導用の生徒名簿に記録し、全教師が把握するように努めている。自分のクラスの生徒だけを見るのではなく、学年全体ですべての生徒を見ていこうというわけだ。地域の人々から「服装を見れば1年生だと分かる」と言われるまでになったのも、このような徹底した生活指導を続けたからに他ならない。


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