指導変革の軌跡 山形県立酒田東高校「低学年指導」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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自信と充実感が教師への信頼を育む

 学習・生活の両面において飛躍的な進化を遂げた「新生・酒東」。石川先生は「担任団の先生方が丁寧に、熱心に取り組んでくれたこと、保護者の理解と協力が得られたことが、生徒の躍進につながった」と強調する。
  そんな「新生・酒東」も現在は2年生。「中だるみ」が気になるところだが、酒田東高校では生徒を学びに向かわせる施策を続けている。例えば、スタディーサポートの結果を活用した自己分析シート。「今後、修正すべき学習・生活習慣」「高校生活の悩み」を記入させ、越えるべき課題やテーマを生徒自らが認識できるようにしたものだ(図4)。

▼図4
図4

  また、05年7月には、従来の「ヒマラヤプロジェクト」の中に、東京大・京都大・国立大医学部にターゲットを絞った超難関大を目指すコースが設けられた。例年、1~2名程度しかいなかった東京大志望者も、この学年では15名と大きく増えた。1年生での躍進が生徒に自信を与え、「先生についていけば大丈夫だ」という信頼感が、生徒を更なる飛躍へと導きつつあるのだ。
  石寺先生は「新生・酒東」の躍進を振り返って、次のように述べる。
  「特にこの学年は、生徒一人ひとりに高い目標を与え、達成させることで、生徒の中に自信や充実感を与えてきました。『頑張ればきっとできる』という夢を持たせられたことが、04年度1学年の躍進につながっていると思います」
  一連の取り組みは05年度の1学年にも受け継がれ、徐々に学校全体へと波及しつつあるという。すべての学年に取り組みが浸透したときこそが、真の意味における「新生・酒東」の誕生なのかも知れない。


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