VIEW'S REPORT 学習計画・学習記録で自学自習力を付ける
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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事例2 PDCAサイクルを徹底し自律的な学習力を身に付ける

三重県立川越高校

「自律的な学習力」の定着を目指して

 「くっつき学習」や「居残り学習」など、創立以来、緊密な集団指導体制を構築することで進学実績を上げてきた三重県立川越高校。近年はそれに加え、「自律的な学習力」の育成を目指し数々の取り組みを実施していることは、本誌04年4月号でも紹介した通りだ。中でも、「学習計画表」(図3)は「自律的な学習力」を醸成するための最重要ツール。以下では、前回の掲載時からよりパワーアップした「学習計画表」の運用と書式の工夫について詳しく見ていきたい。

▼図3 クリックすると拡大します
図3

  川越高校の「学習計画表」の特徴の一つは、3年間で徐々に自律的な学習力を身に付けられるよう、1・2年次と3年次で、運用方法を若干変えている点にある。1・2年次では、定期テスト前と長期休暇中のみに使用場面を限定し、3年生になって初めて、4月から受験までの毎日の計画を立てさせる。3学年主任の森本卓幸先生は、その狙いを次のように述べる。
  「1・2年次は生活指導を含めた学習指導の意味合いが強く、自ら計画を作り、それを実行させることで得られる達成感や、生活のリズムを整えながら長期休暇を乗り切らせることなどに力点を置いています。3年次では勉強へのモチベーションは上がっているわけですから、日常の学習の中でどの教科をどのようにやっているのかという具体性を重視します。こうすることで、1・2年次の段階で『学習計画表』の運用に慣れさせておき、3年次から自ら計画を立て、実行に移す学習姿勢を身に付けられるようにしているのです」
  1・2年次はPDCAサイクルを身に付けさせると共に、「量」をこなすことに慣れさせる時期でもある。例えば、長期休暇の目標時間数は夏期150時間、冬期・春期各100時間とし、目標通りの学習時間を確保させている。計画的に量をこなす訓練を1・2年次のうちに身に付けて、受験勉強本番となる3年次に備えるのである。


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