VIEW'S REPORT 学習計画・学習記録で自学自習力を付ける
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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取り組みに応じて書式・運用方法を変える

 PDCAサイクルを確立し、3年間で「自律的な学習力」を身に付けさせる川越高校の「学習計画表」。近年は更に、計画表を利用した新たな取り組みも始まっている。
  3年次の夏期休暇前に実施する「かがやき―学習強化チーム」の結成がそれだ。これは、夏期休暇に入る直前(05年は7月8日~7月20日に設定)を「夏期休暇期間突入週間」として、学校の空いた教室を使って自学自習を行う試みである。この時期、担任は保護者会などに手を取られて指導に時間をかける余裕がないので、取り組みは進路指導部が主導する。
  「本校は『受験は団体戦』という考え方で集団指導に力を入れてきましたが、この取り組みも、生徒が集団で自学自習に取り組むことで、やる気と集中力を高めていくことを目的としています。特にこの時期には、夏期休暇中に自宅で学習に向かわせるために、しっかりと意識付けを行っておくことが重要です。期末考査が終わり、午前中が授業で午後から放課後になるこの時期を利用して、夏期休暇の助走期間にすることにしたのです」(近藤先生)
  取り組みの流れは、図4の通りだ。1日に90分の自習時間を基本に、間に10分の休憩を入れながら行う。それに、休日の家庭学習時間(1日10時間以上目標)を含めて、05年は9日間で70時間以上の学習時間を目標にした。原則自由参加だが、05年は150名が参加した。

▼図4
図4

  この目標時間を達成するために、本取り組みにおいても、「学習計画表」のノウハウが形を変えて利用されている。「突入週間」の最初に「なぜ参加したか」「強化・克服したい教科・分野など」「夏期休暇全体についての目標・決意」といった「決意表明」を記入。同時に、取り組むテキストの種類や範囲などを記した9日間の「計画表」を提出する。その計画に基づいて実績表(図5)を記入して翌日提出し、その日中に進路指導部のチェックを受ける。そして、最後は「反省表」に「学習時間の確保について」「かがやき―学習強化チームに参加して」などを記入し提出するのだ。

▼図5 クリックすると拡大します
図5

  なお、同様の取り組みは2年次の夏期休暇後半でも実施されている。こちらは、夏期休暇後の模試対策と、3年次に向けた先頭集団づくりという意味合いがあるが、「学習計画表」の書式・運用方法等は3年生の「かがやき―学習強化チーム」とほぼ同様だ。
  1・2年次と3年次、定期考査前、長期休暇など段階や時期に応じて、位置付けや運用方法、書式を変える川越高校の「学習計画表」の柔軟性は、今後も更なる広がりを見せる可能性を示している。


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