特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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ヨコのつながりを持つ「大学の声」が求められている

―今後の連携事業についてどのようなビジョンをお持ちですか。

山田 タテの連携のみならず、ヨコの連携を強化していかなければと思います。三重県の場合、京都の大学コンソーシアムのようなものがまだありません。今、県の行政とも話し合いを進めていますが、教育機関相互の連携を深めていかなければならないと思います。

鈴木 それは高校側も同感です。特に、高校と大学の連携を、個々の高校と大学の個別マッチングで終わらせるのではなく、より普遍的な連携へと広げていきたいという思いがあります。実際、三重県内の高校とは言え、三重大進学者のみを想定して教育活動を行っているわけではありません。地元の三重大の声を聞くことはもちろん重要なのですが、高校側としては大学個々の枠組みを越えて「工学系として」「人文系として」どんな学力が普遍的に必要とされているのかを示していただきたいと思います。

山田 実際、そういった課題意識は大学側も持っています。実は05年の11月、東海地区の国立大学が一堂に会して合同説明会を開くのですが、そこでは個々の大学の立場を越えて「理系の魅力を伝えよう」という点も目的の一つにしています。

鈴木 こういう動きは今までなかったことなので大歓迎です。いわゆる「進学説明会」の枠組みを越えて、育成すべき能力が高大で共有されたとき、真の意味での高大連携が実現できるのかも知れませんね。

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