指導変革の軌跡 愛知県立豊田南高校「中高連携」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 4/11 前ページ  次ページ

中高連携の知見を基に走り出した学校改革

 一連の中高連携事業は、豊田南高校教師の「中学校理解」を深めたばかりでなく、豊田南高校の取り組みに新たな風を吹き込むことになった。中高連携により得た知見を基に、授業改善や進路指導の充実など、様々な面から指導の改善がなされたのである。
  学習指導の面では、中学校と高校のギャップを埋めるため、教科ごとの教材開発が行われた。例えば英語科では、中学校の教科書をチェック。中学では扱わない単語や文法などを調べ上げ、高校で学習をする上で最低限知っておいてもらいたい事項をまとめたブリッジ教材を作成した。また、1年生の4~5月は通常の授業と同時進行で、週に2時間を中学の復習に充てたという。数学科でも1年生の1学期から、授業についていけてない生徒を対象に、フォローアップ講座を実施した。
  また、中学校における指導を踏まえたシラバスづくりも進められた。
  「教師の『中学校理解』が進んだことは、一年間の授業計画を見直すよい機会になったと思います。シラバスの作成に関しても、中学校での指導内容を踏まえて作成することができました。中学校で扱わない事項を取り入れることはもちろん、授業進度や重点を置くポイント、課題の出し方などにも工夫を凝らすことができたと思います(図2)。中高連携の試みがなければ、高校の教師側から一方的に見た指導案になっていたでしょうね」(神谷先生)

▼図2 クリックすると拡大します

図2

  PAGE 4/11 前ページ 次ページ