生徒の変化にいかに対応するのか。こんな問題意識に端を発した豊田南高校の中高連携の試み。それは、学校改革という大きな果実として実を結んだ。先に挙げた、ブリッジ教材による授業改善やシラバス作成、進路指導の軌道修正などはその最たるものだが、学校改革以外にも、地域の中学校との良好な関係を築けたところも大きな成果だったと言えよう。中高連携事業は、豊田南高校教師が中学校の実態を知ると共に、教師たちの熱意を中学校側に知らしめる効果ももたらしたのである。近隣の中学校から、教科相互乗り入れによる授業でお互いの力量を高めていきたいという提案がなされるようになったのも、豊田南高校に対する中学校側の信頼感の強さを表していると言えよう。
更に朴井校長は、今後の抱負を次のように述べる。
「今後、社会に貢献できる人材を地域ぐるみで輩出するには、単なる中学校との情報交換というレベルを超えた中高の連携が必要になると考えています。高校と中学校それぞれが教育課題の分析や具体的な対応策を実行していくと共に、足並みを揃えて中高の指導の連続性を考えていく必要があります。中高一貫校へ対抗していくためにも、新しい『6年一貫教育』の形を模索していきたいですね」
地域との良好な関係をバネに更なる飛躍を遂げつつある、豊田南高校のこれからに注目したい。
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