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5年間のモチベーション維持を模索する看護科
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資格取得が先送りされた保育コースとは逆に、取得資格が高度化したことで、モチベーションの維持が難しくなっているのが看護科だ。
ベル学園高校では、従来から衛生看護科で准看護師の受験資格を取得できる。そして、看護師の受験資格を目指す生徒のみ2年制の専攻科に進学する体制を取っていた。しかし、02年からは衛生看護科の他に、高校3年間と専攻科2年間の一貫教育を行う看護科を設置し、5年間で看護師の受験資格を取得できる体制を整えた。高校から看護師を目指す生徒にとっては、資格取得の最短ルートになるとあって、設置以来、毎年他県からの志願者も多いという。
しかし、その反面「在学期間が5年になったことで、生徒のモチベーション維持が新たな問題になった」と、衛生看護科・高校看護主任の金道雅子先生は指摘する。
そこで、看護科が導入したのが「夢ノート」と呼ばれる取り組みだ。オリエンテーション研修や戴帽式、看護実習など行事がある度に、目標や決意、感想を綴っていく生徒の「成長の軌跡」である(図2)。
「入学したての頃に抱いた先輩への憧れ、戴帽式で感じた感動、初めての病院実習を前にわき上がる責任感。勉強が嫌になったとき、実習がうまくいかず自信をなくしたとき、『夢ノート』を開けば、いつでも希望に満ちていた頃の思いが甦るんです」(金道先生) |
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▼図2
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戴帽式では「ナースキャップを頭にかぶせてもらった時に、とても重く感じました」と、看護師を目指す者としての責任感を自覚し、病院実習の後には、「疾患について理解できておらず、自分が勉強不足だったことが分かった」と、学校での学習に向けて意欲を高める。こうした、経験を一つひとつ記録することで、資格取得に向けて新たなやる気を喚起するのである。
更に、国家試験が間近に迫る時期には、生徒同士でのグループ学習も取り入れられる。同じ目標に向かって進む者同士で励まし合いながら、切磋琢磨する体制も構築されているのである。
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