こうした進路学習のみならず、制度面からも、生徒の進路意識を醸成する仕掛けを施している。その一つは、安易な科目履修をさせないためのカリキュラム整備だ。
進路学習によって希望進路が明確になっても、130以上ある選択科目から、希望進路に合った適切な科目履修をすることは難しい。実際、「友人がその科目を履修するから」「単位が取りやすいから」というような安易な理由で履修科目を決めてしまう生徒もいるという。
そのため、甲府城西高校では「系列」と呼ばれる履修システムを導入。全130科目の選択科目を、「人文社会」「スポーツ健康」「ビジネス会計」「メカトロニクス」など学問分野に応じて8系列に分類し、各人が希望進路に応じた科目を効率よく履修できるようにしている(図1)。教務主任の古河通也先生は次のように述べる。
「我々が気を付けているのは、目標の進路に応じた一貫性のある履修を心掛けさせることです。安易な履修をした結果、いざ3年間が終わったときに、『自分は何を勉強したんだろう?』ということにならないよう、不断に履修システムの改善を図っています」
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