VIEW'S REPORT 総合学科の現状と今後
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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全校体制で担任を支援

 制度面のもう一つの特徴は、学校全体で担任を支援する体制の整備だ。特に02年、古屋孝徳校長が赴任した後は、抜本的な校内組織の改革も行われたという。
  「赴任後、私が最初に行ったのが教員組織の見直しです。元々、幅広い進路の志向性を持った生徒がいる上、進路に対する目標が希薄な生徒が増えている状況で、きめ細かい指導を行うには、各分掌主任の強力なリーダーシップが必要です。そのため、先生方の特徴を生かした適材適所の人事により、各分掌の主任にふさわしい人材を配置しました」(古屋校長)
  担任支援のシステムは、そんな組織力強化の成果と言える。生徒一人ひとりの進路決定に直接関わるのはホームルーム担任だが、一人の担任が大学進学から就職まで、幅広い生徒の進路相談に的確に対応することは困難である。そこで、進路指導、教務、生徒指導、総合学科などの分掌が連携し、年次に所属していない専門科目の教師も含め、学校全体で担任と年次を支援する体制を敷いているのだ。
  「総合学科の担任には、進学や就職に関する幅広い知識が必要ですが、すべての分野についてエキスパートになることは不可能です。そのため、専門的な知識が必要な場合には、それを担任一人が抱え込むのではなく、その分野に長けた教師や分掌がバックアップします」(古屋校長)
  その点で、普通科に比べ工業・商業・家庭等の専門科目の教師が多いところが利点になっている。
  また、甲府城西高校では進路希望調査についても工夫を重ねてきた。進路指導副主任の勝俣透先生は次のように述べる。
  「担任が生徒個々の進路希望状況をファイルサーバーに入力し、教師間で共有して指導に役立てています。2年次の前半になると、ほとんどの生徒が将来の職業を見定めた進路選択をするようになります。3年次では5回ほど年次と進路指導部合同の進路希望検討会を開き、きめ細かい指導を心掛けています」
  就職指導についても、インターンシップを体験させ、職業観を育てたり、教師全員が企業訪問を行い、企業との信頼関係をつくってきた。面接指導を徹底し、課外を充実させることで、就職試験の合格率が上がってきた。


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