VIEW'S REPORT 総合学科の現状と今後
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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基礎学力の定着は進路にかかわらず重要

 進路目標の明確化と並んで、近年、特に甲府城西高校が力を入れているテーマが「基礎学力の定着」だ。進路指導主事の小林一之先生は、「進学でも就職でも、基礎学力はすべての生徒が身に付けなければならない必須の力です。大学の推薦入試や就職試験の論文対策、大学進学後の学びや就職後のキャリア形成にも欠かせません」と述べる。
  中でも、特に力を入れているのが国語力・表現力の育成だ。学校設定科目「小論文演習」の他、ここ2~3年の間に「朝読書」の導入、外部講師による小論文課外、ビデオ講座、日本語能力検定試験の必須化などを実施し、総合的な国語力・表現力の育成に努めてきた。小論文指導の際は、40名近くの教師が個別指導を担当し、成果を上げてきた。更に06年度からは、2年次に、理科系進学者など数学が必要な生徒以外の生徒は、「国語総合」2単位を継続履修することを決めた。
  また甲府城西高校では、04年度から「進路マップ 実力判定テスト」()を導入し、基礎学力の定着度合いの把握にも努めている(図2)。

※進路マップとは、生徒の「なりたい自分さがし」と「なりたい自分づくり」をサポートする弊社の教材(適性検査、学力検査などがある)。
▼図2
図2

  「本校では、Cゾーンを基礎学力の到達目標としています。Cゾーンであれば、大学進学はもちろん、各種検定、就職にも有利。そのことは生徒にも伝えて意識させるようにしています。今後は推薦入試合格者の学習到達ゾーンをデータ化して使いたいですね。例えば、本校の過去の合格実績を調べて、山梨大に合格するにはB2ゾーンがあれば十分ということが分かれば、B2ゾーンを具体的な目標として示すことができる。こうしたリアルな指標の方が、生徒には響きますからね」(小林先生)
  また、教師にとっても、具体的な学力指標があった方が、指導しやすいという利点もある。
  進路観の育成と基礎学力の向上を目指し、総合学科の可能性を追求する甲府城西高校。高い「人間力」を持った人材が輩出するべく、更なる発展を目指し続けている。


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