VIEW'S REPORT 総合学科の現状と今後
岩崎 治弘

▲福岡県立福岡魁誠高校

岩崎 治弘

Iwasaki Haruhiro

教職歴25年目。福岡魁誠高校に赴任して6年目。教務主任。理科担当。「自分で敷いたレールの上を走れ」

安河内 徹

▲福岡県立福岡魁誠高校

安河内 徹

Yasukochi Toru

教職歴20年目。福岡魁誠高校に赴任して6年目。3年次主任。公民担当。「オンリーワンの生徒を育てたい」

寺本 真一

▲福岡県立福岡魁誠高校

寺本 真一

Teramoto Shinichi

教職歴17年目。福岡魁誠高校に赴任して8年目。進路指導主事。数学担当。「生徒には『志』を持ってほしい」

池長 嘉晴

▲福岡県立福岡魁誠高校

池長 嘉晴

Ikenaga Yoshiharu

教職歴13年目。福岡魁誠高校に赴任して2年目。ガイダンス部主任。英語担当。「我以外は皆師なり」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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事例2 徹底して生徒の希望を尊重し「自主性」の芽を育む

福岡県立福岡魁誠高校

普通科・専門学科を改編し総合学科が誕生

 普通科、産業技術科Iを擁する粕屋高校が、福岡魁誠高校として再スタートを切ったのは03年度のことだった。直接的なきっかけは、福岡県が進める高校再編整備事業の対象となったことだったが、福岡魁誠高校の教師たちはこの改革を自らの課題として受け取った。教務主任の岩崎治弘先生は、その事情を次のように語る。
  「学力による高校の序列化の中で、本校は『学力が合うから』『親や先生に勧められて』といった理由で入学してくる生徒が多く、学習活動や進路指導でモチベーションが高まらない状況がありました。総合学科への改編を機に、目的意識が明確な生徒を獲得すると共に、入学した生徒が、人生を自ら考えて決めていけるような学校にしたいという思いがありました」
  そんなビジョンがあっただけに、総合学科への改編に当たっては、できるだけその理念に忠実なグランドデザインが描かれた。進学重点化、あるいは、事実上のコース制の導入といった声は、福岡魁誠高校では聞かれなかったという。「中教審が示した総合学科本来の姿を目指した」と語るのは3年次主任の安河内徹先生である。
  「大学進学者数、あるいは就職者数といった『数で勝負する』学校ではなく、あくまでも生徒一人ひとりの志望実現に軸足を置いた学校にしようという思いがありました。個性豊かな生徒たちが、学びたいことをきちんと学べる、という点を学校の特色として打ち出したかったんです」
  では、このような理念を、福岡魁誠高校はどのように実現しようとしているのだろうか。以下でそのポイントを見てみよう。


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