ベネッセ教育総合研究所
SSH指定校レポート
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クローズアップSSH
◎富山高校のSSHの特徴の一つは、学校設定教科・科目における連携である。SSHの理念に沿いつつ、大学入試を見据えた教育を充実させる独自のカリキュラム展開を見ていく。

科学を学ぶための基礎・基本を徹底する
 富山高校のSSHカリキュラムのコンセプトは「基礎・基本の徹底と、理数に手厚い指導」と言える。富山高校では、SSH導入の02年度から45分と50分授業を併用して週35時限を確保。更に公民・保健・家庭を統合して学校設定教科「人間と科学」を設けることで、結果的に国語や英語などの時間数を削らずに理数の時間を増やすことができた。SSHの特徴を追い求めることで、他教科への影響があってはならないからだ。
 「SSHの活動を通して生徒に創造性、独創性を身に付けてもらいたいと考えました。しかし、そのためにはまず生徒の実態を改めて把握し、指導計画を立てることが重要です。そうでなければ、せっかくの体験学習や大学教授の講義も表面的なものにとどまってしまいかねません」(清水稔教頭)  そこで、入学生に対して基礎学力調査を実施し、「知っていること・知らないこと」「興味のあること・興味のないこと」を整理。そうして、学校設定科目として新たに生まれたもう一つの科目が、「自然と科学」だ。
 「1年次に履修する『自然と科学』は、物理、化学、生物、地学の各分野の基礎を体系化し、宇宙の誕生から生命の進化、遺伝子までを時系列に沿って学んでいく科学概論的な授業です。中学から高校へスムーズに移行し、更に大学の研究室での実習に臨む際に必要な基礎を身に付けることを目的としています」(筒井教頭)

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