県内3大学で行われる体験実習 |
|
更に富山高校は、科学的な視野を広げ、科学への動機づけとなる取り組みも積極的に実施している。「英語圏の理数教科書の研究」と「県内大学実習」である。
「『英語圏の理数教科書の研究』は総合的な学習の時間に実施し、理数科だけでなく普通科の生徒も取り組んでいます。これには日本と諸外国との考え方の違いを実感させるという狙いがあります」(松本司朗先生)
「県内大学実習」は2年次2学期から本格化する課題研究に先立って、夏休みの間に、2~6名程度のグループで3日間に渡って実施される。これは数ある富山高校のSSHの取り組みの中でも、最も生徒の学びへのモチベーションを喚起している活動であるという。
「実習に協力していただいているのは富山大、富山医科薬科大、富山県立大の3大学です。04年度は11講座で実習が行われました。指導してくださる大学の先生やTAの大学院生と生徒の数はほぼ同じという、とても贅沢な環境での実習ですので、生徒も比較的高度な内容でも理解することができるようです。また、生徒は間近に見る大学院生の姿から、大学進学後の自分像を考えるなど、とても刺激を受けているようでした」(松本先生) |
|
「県内大学実習」を成功させる鍵の一つは、実習内容が「少し難しいが、頑張ればついていけるレベル」であることだと富山高校の教師は考えている。
「大学の学びはどんなものか、期待を持って実習に臨み、実習が終わったときに自分なりに成果を得たことが実感できる、そういう難易度であることが望ましいと思います。そのためには当然、受け入れ先の先生との事前の調整が欠かせません。しかし、高校から一方的に思いをぶつけるのではなく、大学側の事情を踏まえてすり合わせていくことが大切です。実際、大学によって実習内容の詰め方は様々でした」(筒井教頭) |
|
「県内大学実習」は、大学での実習を通して科学研究の技法や考え方を学ぶ取り組みである。生徒にとっては、科学に携わる自身の将来像を具体的に知る場でもある。 |