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主体的な研究を促す基礎力養成講座 |
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このように岡山一宮高校の「課題研究」が、高いレベルでの実践を維持できているのには、1年次の「スーパーサイエンスラボ講座」や「自然科学入門」、2年次の「科学論文基礎」などの講座を通じて、生徒が「課題研究」に取り組む上での下地となる能力を身に付けている点も大きい。
「スーパーサイエンスラボ講座」(2単位)とは、メスシリンダーの目盛りの読み取りや器具の洗浄などの基本レベルから、電子顕微鏡観察や無菌操作といった大学研究室レベルまでの実験技術を身に付けることを目的としたもの。実習は生徒8名に対して教員1名という少人数で行うため、極めて中味の濃い授業となる。 |
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「生徒はこの実習によって、様々な実験手法を学ぶので、『課題研究』で実験によって仮題を検証したいときなどに、どんな風にアプローチすればよいかが分かるようになります。また教科書レベルを超えた最先端の実験や観察に触れさせることによって、生徒の興味・関心を引き出すといった狙いもあります」(進藤先生)
同じく最先端の研究に生徒を触れさせるための取り組みとしてあるのが、「自然科学入門」(1単位)だ。これは、物理、生物、地学、化学、数学の5分野を2か月ずつ学習した後に、各分野のまとめとして、第一線で活躍している研究者による講義を生徒に聞かせたり、施設見学を実施するというもの。生徒に様々な研究の世界を覗かせることで、将来自分がどのような分野を選択するかを考えるきっかけづくりになっている。
また2年次の「科学論文基礎」(2単位)では、科学的文章の書き方や読み取り方、データの収集と分析の方法などを学習する。これらは「課題研究I」の総仕上げとして研究論文を書くときに、欠かすことのできない能力となる。
その他にも、1年次の夏休みに岡山県北部の蒜山(ひるぜん)高原で行われる「夏季宿泊研修」では、ニホンザルの観察や水質調査などのフィールドワークを体験。調べた結果をポスターにして発表する。また科学関係のコンテストや学会にも積極的に参加している。 |
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