特集 「完全新課程生」をどう育てるか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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週末課題をテストと組み合わせる

 一方、ここ数年、提出率の悪化に歯止めがかからなかった週末課題についても05年度から見直しが行われた。
  上野高校では、特に英語の指導において、週末課題を重視してきた。まとまった量の英文を読ませたり、問題を解かせることで、その週に教えた内容を定着させることを狙ってのものだ。しかし、ここ数年は、全員にきちんと提出させるのが困難な状況が続いていたという。そこで考え出されたのが、ただ課題を与えるのではなく、隔週に1回の「課題テスト」とセットで、週末課題を運用する方式への転換である。
  「今時の生徒は妙に賢くなったというか、ただ『やりなさい』と言っても、明確な理由付けがない限り、なかなか課題をこなそうとしない傾向があります。そこで、『週明けのテストのために』という明確な目標を与えることで、学習モチベーションを上げることを狙ったわけです。また、課題の出し方についても、プリント学習などではなく、学期の初めに問題集を何冊か渡し、その中から各週の出題範囲を指定する方式にしました。機械的に与えられたものをこなすのではなく、『自分で参考書を開いて取り組む』という学習スタイルへの転換を狙っています」(沢井先生)
  テストの点数を平常点に加味するようにしたことと相まって、「課題テスト」に対する生徒の取り組み状況は、当初予想していたよりも良好だ。成績不振者には課題を課すことにしているが、今のところ、1回の課題テストにつき、学年約360名のうち10名程で収まっているという。ただし、全生徒が同じ問題に取り組むことが前提となるため、課題として渡す問題集の難易度については、苦労する点も多いようだ。
  「テストはあくまでも生徒を学習に向かわせるための一つの手法にすぎません。一番大切なのは、週末の自宅学習を通じて『やったらできる』という実感を生徒がつかんでくれることなのです。ですから、問題の難易度については『英語の得意な生徒にもそれなりに手応えがあり、かつ、苦手な生徒でも頑張ればなんとか解ける』というラインを見極めなくてはなりません。この点をクリアする問題選びには毎回頭を悩ませています」(沢井先生)


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