指導変革の軌跡 茨城県  大成女子高校「進路意識向上」
茨城県 大成女子高校

茨城県 大成女子高校

2006年に創立97年目を迎える県内最古の私立校。創立以来、「社会で役立つ女性の育成」を目指し、4万名以上の卒業生を送り出している。1年次に必修科目として「現代女性教養講座」を設けるなど、教養教育に力を入れている。

設立●1909年(明治42年)

形態●女子/普通科・家政科・看護科(併設に茨城女子短大)

生徒数(1学年)●約235名

05年度進路実績●国公立大には茨城大、宇都宮大、信州大など7名。私立大には日本大、専修大、東京理科大、東京家政大など53名が合格。その他、短大、専門学校、併設の専攻科看護科、就職など。

住所●水戸市五軒町3-2-61

電話●029(221)4888

WEB PAGE●http://www.taisei.
ac.jp/


大津 雅幸

▲茨城県・大成女子高校

大津 雅幸

Ohtsu Masayuki

教職歴26年目。大成女子高校に赴任して26年目。進路指導部長。「常に生徒を第一に考える指導を心掛けていきたいですね」

綿引 隆

▲茨城県・大成女子高校

綿引 隆

Watahiki Takashi

教職歴11年目。大成女子高校に赴任して11年目。進路指導部副部長。「周りの人や自然と共に、ステキな生き方を模索したい」

森 聖子

▲茨城県・大成女子高校

森 聖子

Mori Seiko

教職歴14年目。大成女子高校に赴任して10年目。進路指導部。「生徒に愛情を注げば注ぐほど予想以上の指導効果が得られる」

鈴木 博之

▲茨城県・大成女子高校

鈴木 博之

Suzuki Hiroyuki

教職歴11年目。大成女子高校に赴任して10年目。進路指導部。「生徒の希望はどんなことでもかなえてあげたいと思っています」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡62
茨城県 大成女子高校 「進路意識向上」

進路指導の体系化により生徒・教師の意識改革を促す

学年任せだった進路指導を見直す

 大成女子高校は明治42年創立の大成裁縫女学校を前身とする、県内で最も長い歴史を持つ私立の女子校である。現在は裁縫学校の流れを汲む家政科と、5年一貫教育の看護科、大学・短大・専門学校への進学を目指す普通科の3科を擁し、異なる進路を目指す生徒たちが切磋琢磨している。
  そんな大成女子高校が進路指導の在り方を見直し、新たな進路指導体制の確立を模索し始めたのは01年度頃のこと。基礎学力の低下、家庭学習習慣の未定着、ハングリー精神の欠如など生徒の資質・気質変化に加え、学力格差の拡大、進路意識の未発達など、さまざまな面で生徒の多様化が顕在化してきた。また、保護者の意識も多様化してきている。熱心に大学進学を希望する保護者がいる一方、就職できなければ無理して働く必要もないという保護者もいるという。更に、入試形態の多様化、就職環境の悪化などの学校環境を取り巻く変化も激しい。こうしたさまざまな変化の中で、生徒一人ひとりに合ったきめ細かな進路指導を実現できる体制を整える必要があったのだ。
  しかし、当時の大成女子高校の進路指導は、必ずしもそうした課題に対応できるだけのものではなかったと、進路指導部長の大津雅幸先生は指摘する。
  「それまで、本校の進路指導は基本的に各学年の裁量に任されているところが多く、必ずしも系統立った進路指導ができているとは言えませんでした。例えば、校外模試を実施するにしても、ある学年では○社の模試を、別の学年では△社の模試を実施するといったように、その年の偏差値を出すだけの模試になっていたんです。これでは、データの蓄積が進まないため、過年度に比べて今年の生徒は伸びているのか、指導の実効性は高まっているのかといった検証ができません。こうした学年間のズレをなくし、系統立った進路指導計画の下で全教師が足並みを揃えて進路指導に当たる体制を構築することが急務だったのです」
  とは言え、一足飛びに3年間の指導計画を構築することは容易ではない。また、急進的な構造改革は校内の反対意見も生みやすい。そこで、大成女子高校では既存の取り組みの見直しから始めて、徐々に進路指導全体の改革に結び付けていく道を模索することにした。


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