指導変革の軌跡 茨城県  大成女子高校「進路意識向上」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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進路ガイダンスや面談の見直しを図る

 一方、外部模試の導入と合わせて、「進路ガイダンス」も大幅に見直した。進路学習の仕方や進学情報、就職の実態などについてレクチャーを行うもので、すべての学年で毎学期1~2回実施。生徒は3年間で10回以上のガイダンスを受けることになる。以前は進学情報業者任せだったものを、回に応じて、進路指導部の教員が話したり、生徒の活動をメインに据えたり、バラエティに富むものとした。
  更に、進路マップのデータを蓄積することで、面談の改善も進めた。進路マップで測定している「自我同一性」では、生徒一人ひとりの進路意識を「発達型」「自我型」「社会型」「途上型」の4つに分類できる。進路指導部の鈴木博之先生の学年では、面談の際、生徒の自我同一性に基づいた声かけをしていくよう、担任に促しているという。
  「クラスの誰が『発達型』で、誰が『自我型』かといった情報は、すべて担任に渡して進路指導部と共有しています。その情報を基に、○○型の生徒にはどういう指導が効果的か、というところまで例示することができるようになったのは大きいですね」
  例えば、「発達型」の生徒なら社会性や自我が高いため、具体的な進路を決定させ、自己実現への努力を重ねる指導が効果的だ。また、「社会型」の生徒は、知識・情報は持っているが自分の将来像を描くところまでは到達していないため、自分の興味・関心や性格などの自己理解を深める指導が重要になる。「学力」という指標以外で、生徒の学習意識や進路意識を高める手がかりを得たのである。

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