大分舞鶴高校が重視するのは、単に「形」だけを伝えるのではなく、その根底にある「精神」を伝えていくことだ。ある取り組みが成功したからといって、単にその取り組みの内容だけを継承していたのでは、いつかは形骸化し、そのときの生徒の実情とかけ離れた行事になってしまうからだ。
「教師にとっても成功体験は大事ですが、成功した活動がいつもうまくいくとは限りません。生徒はどんどん変わりますし、3年後にはまた違う世界が待っています。その意味では、活動を引き継ぐだけではなく、『その活動を生徒がどう受け止めたのか』を伝えていくことが大切です。それが真の意味での『学校文化の伝承』なのだと思います」(久保田先生)
今後の課題について、大鳥先生が「分掌、主任級で思いを共有する場をつくること」と述べるのも、そうした学校文化の伝承にまでつながる、教師間のネットワークを構築したいという思いがあるからだ。そして、ミドル層の活力こそが、学校を引っ張っていくという、強い信念があるからにほかならない。
「05年度卒業生が近年にない実績を残せたのも、主任の先生方のリーダーシップがあったからこそ。今後、主任を軸とした学校運営を一層進め、生徒の進路実現と学校文化の伝承を図っていきたいと思います」(南教頭)
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