特集 「学校力」を考える(1) 学び高める「指導力」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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研修でベテランと若手が相互触発を図る

 指導力向上の面では、教師同士の相互触発が大きな比重を占めている。特にミドル層の活用で特徴的なのが、「初任者研修」システムだ。初任者研修は、指導教員によるOJT形式で進められる。主任の教師が必ず指導教員を担当。朝夕のSHRから分掌の仕事まで、新任教師は常に指導教員の後ろ姿を見ながら勉強していく。週2回は正課の時間内に研修の時間が設けられ、指導教員からクラス運営や各分掌の仕事まで、さまざまなノウハウが伝授される。なお、研修時間は授業時間の中に組み込まれているが、その時間は県から派遣される別の講師が授業を担当するなど、研修・育成の負担を少しでも軽減する方策も取られている。05年度に指導教員を務めた3学年主任の上西恵子先生は、次のように述べる。
  「私が一番注意するのは、新任の先生が次年度には担任を持てるように、生きた研修を行うことです。建前や理論ではなく、本校の生徒の気質を肌で感じ、生徒にぶつかっていく中で、いろいろなことを学び取ってほしいのです。私自身、新任の先生が疑問に感じることを通して、学校の改善点を見いだすことも少なくありません。一方的に教えるのではなく、指導教員自身も貪欲に知識を吸収するよう心掛け、共に学び合うことで、お互いが成長できるのです」


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