04年度から始めた「公開授業週間」も、教師間の相互触発を狙った活動の一つだ。11月の1週間、すべての授業を開放し、相互に授業を見学するもので、自己の授業を見直し、教科指導力の向上を図る。教師は他教科の授業も必ず1コマは見学するよう義務付けられている。1学年主任の大島裕先生は、公開授業週間を始めた経緯を次のように述べる。
「本校では以前から研究授業を実施し、近隣の高校のエキスパート教員や大学教授、県教委の指導主事など外部指導者の助言を受けてきました。しかし、研究授業は特別に作成した指導案を基に行うので、日々の授業にどれだけ生かせているのか疑問もありました。そこで、普段の授業を見学し合い、教師の指導ノウハウを相互に伝達することが重要と考えたのです」
実際、教師からは「緊張感を持って授業に臨めた」「担任として自分のクラスの授業を客観的に見ることができた」と肯定的な意見が聞かれた。アンケートでも「授業を見直すきっかけになったか」という質問に対して、9割以上の教師が「とても」「まあまあ」と回答している(図2)。
また、大島先生は「教師が授業改善の努力をしていることが生徒にも伝わり、生徒の学習意欲にもプラスになった」と指摘する。この成功を受け、05年度は新任教師のために4月にも「公開授業週間」を実施した。
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