特集 「学校力」を考える(1) 学び高める「指導力」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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2 ミドルリーダーが力を発揮できる環境を整える

職員室への常駐化で横の連携を強める

 このほか、組織全体でノウハウの共有化を進める方策も取り入れている。職員室における教師の常駐化がその一つ。三原高校の教師は、かつては各教科の準備室にいることが多かった。しかし、05年度から教師は常に職員室に在席するようにしている。その効用について、2学年主任の石田達生先生は次のように述べる。
  「最大のメリットは、教師同士の意思疎通が非常にしやすくなったこと。生徒からの難しい相談にも、そばにほかの先生がいるので助言を求めやすく、生徒の情報を共有しやすくなったので、『生徒を教師全員で育てていこう』という学年団の雰囲気が以前にも増して強くなりました」
  早川教頭が「学年主任のリーダーシップが発揮されやすくなった」と指摘するように、職員室が主任の先生を中心に学年団の団結を強化する場としても機能しつつあるようだ。
  二つめは、模試分析会の研修化だ。模試分析会は学年ごとに年6~7回行うが、3年次の分析会には他学年の教師を意図的に参加させている。進路指導主事の藤原幹士先生は「まさに今、受験生と対峙している3学年団の模試分析会に参加することで、1、2年後に受験生の担任としてどのような心構えを持てばいいのか、そのために現学年で留意すべきことは何かが見えてくる」と指摘する。
  参加率も高い。05年度のセンター試験後の判定会議には、2日間で延べ42名と三原高校の教師の9割が参加。個々の教師が指導力を高め、それを生徒に還元していこうという意識が、組織として根付きつつあるようだ。


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