指導変革の軌跡 岐阜県立関高校「学力向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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最大の成果は生徒と教師の信頼関係

 もう一つ特徴的な活動は、希望進路別の進路指導だ。「進路見学会」では、生徒の希望に応じて県内の研究施設や裁判所、企業の研究所、大学、病院などを見学し、進路意識の高揚を図った。また、近隣の高校と連携し「名古屋大・岐阜大」「東京大・京都大」などの大学別入試研究会も実施。他校生と一緒に入試傾向の分析や授業を受け、生徒と教師が共に大きな刺激を受けた。
  「自分が答えられない質問に他校の生徒が答えているのを見て、多くの生徒は発奮したようです。また、他校の教師の授業を見学することで、本校の教師も自分の授業を見直すよい機会になりました。地域全体でレベルアップを図るという意味からも、意義深い取り組みでした」(岡﨑久校長)
  フロンティア事業に着手して3年。家庭学習時間は飛躍的に伸び、進研模試の成績も高いレベルで推移し、成果は着実に表れている。より難易度の高い大学に挑戦する生徒も増え、05年度の難関大の出願者数は増加し、特に名古屋大は前年比2倍以上となった。06年3月の前期日程現在、東京大1名、名古屋大14名、国公立大100名と例年以上の実績となった。
  しかし、最も大きく変わったのは教師の意識だ。1学年主任の石井清治先生は次のように述べる。
  「事業開始当初は活動に否定的な意見もあり、土曜講座も最初は一部の教師によるボランティアで行っていました。しかし、家庭学習時間が伸び、模試の結果も出てきたこともあり、今では全教師が当たり前のように参加しています。教師の努力に必死に応えようとする生徒の姿が、教師のやる気をかき立てたと思います」
  教師の熱意とそれを受け止める生徒。教師と生徒の信頼関係が、関高校の活力を引き出しているのである。


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