02年度から学校全体で始まった「学習会」も、教師の指導力向上につながっているのでないかと北先生は分析する。
学習会は、元々放課後に個々の教師が行っていた。その学習会を進路指導部で統括し、学校全体の活動として再出発させたのだ。高1から高3までの学習会の一覧を掲載した冊子『ONE FOR EACH』(図2)を作成し、生徒全員に配付。生徒はそれぞれ興味のある講座に申し込む。講座数は40~50で、1講座は約90分。1、2年生は英数国が中心で、3年生は社会、理科の講座も増える。部活動などで学習会参加が難しい生徒には、学習会でのプリントを配るなどの対応をした。
「本校には元々、学習も部活動もできるだけ生徒と付き合おうという校風があったので、学校全体としての学習会の実施もすんなり受け入れられました。しかし、教師の負担にならないよう、学習会は週1回としました。教える分野も自由に決められます。できる範囲で行うことが長続きするコツです。少人数の授業で一歩踏み込んだ指導ができるので、教師の指導力向上にも役立っています」と北先生は語る。
また、学習会には学習意欲の高い生徒も参加するため、教師の指導力のみならず、モチベーション向上にも好影響を及ぼした。
「授業は演習中心で、教師も生徒も手が抜けません。しかし、教師が真剣に向き合えば生徒もついてくる。欠席者はほとんどいない状況です」(北先生)
学校全体で行った学習会は、生徒のモチベーションアップと教師の指導力・意識向上の双方に好影響を与えたのである。
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