実際、「京阪神クラブ」だけでなく、全校としての進路指導力向上の試みも徐々に始まっている。「担任が生徒と懇談したくなる資料の提供」を目指して、月1回行う第1志望調査もその一例。進路指導部がパソコンで生徒のデータを一元管理し、志望を変更した生徒がいれば、すぐに担任に伝える。生徒の変化に迅速に反応し、声をかけていくというシステムだ。また、学習方法のアドバイスなどが記されるスタディーサポートを、学習指導・進路指導のツールとして活用している。
「生徒の質は教師の質。これまでの試みを通して、まず教師が変わることで生徒が変わるということを実感しました。本校は若手教師が多く、頼りになるベテラン教師もいるので、まだまだ伸びていくでしょう」と北先生は語る。
「生徒の進路意識の向上、進学実績の伸びなど、成果は徐々に出てきています。しかし、まだできることはたくさんある。例えば、ベテランの教師は指導のノウハウは持っているものの、それをノウハウとして認識していないことも少なくありません。ベテラン教師のノウハウを学校共有の財産としてまとめ、若い教師に伝えていく。そのような形をつくっていきたいですね」と、中川教頭は今後の展望を述べてくれた。
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